「登録販売者の資格はなくなる」は嘘?不安を自信に変える5年後のキャリア戦略

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この記事を書いた専門家

佐藤 裕介 (Sato Yusuke)

医療・小売業界専門キャリアコンサルタント / 元大手ドラッグストア人事部長

15年以上にわたり、大手ドラッグストアの人事部長として採用と育成に携わり、その後独立。現在は医療・小売業界に特化したキャリアコンサルタントとして、1,000名以上の登録販売者や薬剤師のキャリア相談に応じている。業界の動向と個人のキャリアプランニングを繋げる支援を得意とし、専門誌での連載も持つ。意欲ある方々が情報に惑わされず、確かな一歩を踏み出すためのサポートを信条としている。

こんにちは、キャリアコンサルタントの佐藤です。長年この業界で採用に携わってきましたが、「登録販売者の資格って、本当になくならないですか?」というご質問は、これまで何度も耳にしてきました。その不安、とてもよく分かります。大切な人生の時間とお金を投資するのですから、確信が欲しいですよね。

結論からお伝えします。登録販売者の資格がなくなることはまずありません。その不安は、いくつかの制度変更に関する誤解から生まれています。

この記事は、単にその噂を否定するだけではありません。医療業界で1,000人以上のキャリアを見てきた専門家が、あなたの不安を「5年後も選ばれる専門家」になるための自信に変える、具体的なキャリア戦略まで踏み込んで解説します。

読み終える頃には、登録販売者資格の本当の価値を理解し、安心して学習の第一歩を踏み出せるようになっているはずです。

目次

「資格がなくなったら…」その不安、3つの大きな誤解が原因です

私が人事部長だった頃、多くの新人さんや資格取得を目指す方が、あなたと同じ不安を口にしていました。詳しくお話を伺うと、その不安の源は、主に次の3つの誤解にあることが分かりました。

  1. 誤解①:「1/2ルール」が廃止されたから仕事が減る?
    • いいえ、むしろ働き方の選択肢は増えました。 かつて存在した「1/2ルール」とは、「店舗の営業時間の半分以上は、登録販売者か薬剤師が必ずいなければならない」という決まりでした。このルールがなくなったことで、「専門家がいる時間帯だけ医薬品を販売する」という柔軟な運営が、例えばコンビニエンスストアなどでも可能になったのです。この変化は、登録販売者の需要を減らすものではなく、フルタイム以外の短時間勤務といった多様な求人が生まれるきっかけとなり、働く場所の選択肢を広げる結果に繋がっています。
  2. 誤解②:資格を持つ人が増えすぎて価値が下がる?
    • いいえ、需要の拡大が上回っています。 確かに、厚生労働省の発表を見ても、登録販売者試験の合格者数は増加傾向にあります。しかし、それ以上にドラッグストアの店舗数や、医薬品を扱う異業種(スーパーやホームセンターなど)の数が増え続けているのが現状です。つまり、資格を持つ人の数以上に、社会が登録販売者を必要とする場所が増えているため、価値が下がっているという事実はありません。
  3. 誤解③:薬剤師がいれば登録販売者は不要になる?
    • いいえ、明確な役割分担があります。 登録販売者と薬剤師は、法律で定められた協業関係にあります。薬剤師はすべての医薬品を扱えるのに対し、登録販売者は市販薬の9割以上を占める第二類・第三類医薬品の専門家です。この役割分担により、薬剤師はより専門性の高い第一類医薬品や処方箋調剤に集中でき、登録販売者は地域のお客様の日常的な健康相談に応えるという、両者が協力して地域医療を支える体制が成り立っています。

【結論】登録販売者の将来性が安泰な3つの根拠|国の政策が追い風に

あなたの不安の原因が誤解であることをご理解いただけたでしょうか。ここからは、さらに一歩進んで、なぜ登録販売者の将来性が「安泰」と言えるのか、その強力な根拠を3つの視点から論理的に解説します。

根拠①:国の「セルフメディケーション」推進が強力な追い風

最も大きな根拠は、国策として「セルフメディケーション」が強力に推進されている点です。セルフメディケーションとは、「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」を指します。高齢化による医療費の増大という社会課題を背景に、厚生労働省はこの方針を明確に打ち出しています。

このセルフメディケーションの推進が、登録販売者の社会的需要を直接的に高めるのです。なぜなら、消費者が自分で市販薬を選ぶ際の、最も身近で信頼できる相談相手こそが、第二類・第三類医薬品の専門家である登録販売者だからです。国の大きな方針が、あなたの未来の仕事を後押ししていると考えてください。

根拠②:高齢化社会と「地域包括ケアシステム」での役割

日本の高齢化は、登録販売者にとって新たな活躍の場を生み出しています。国が進める「地域包括ケアシステム」という考え方があります。これは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、医療、介護、生活支援などを一体的に提供する体制のことです。

このシステムの中で、ドラッグストアや薬局は「地域の健康相談窓口」としての役割を期待されています。薬の相談はもちろん、健康食品や介護用品に関するアドバイスまでできる登録販売者は、地域住民の健康を支える重要な存在として、その価値を高めています。

根拠③:拡大を続けるドラッグストア市場

業界自体の成長も、将来性を裏付ける重要なデータです。経済産業省の商業動態統計などを見ても、ドラッグストア業界の市場規模は年々拡大を続けています。

新しい店舗が増えれば、当然そこには医薬品販売の専門家である登録販売者が必要になります。業界全体が成長フェーズにある限り、登録販売者の雇用が安定していることは論理的な帰結と言えるでしょう。

5年後も「選ばれる登録販売者」になるための3つのキャリア戦略

さて、資格の将来性が安泰であることはご理解いただけたと思います。しかし、私がキャリアコンサルタントとして最もお伝えしたいのは、ここからです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 資格取得をゴールではなく、キャリアの「スタートライン」と捉えてください。

なぜなら、私が人事部長として見てきた中で最も残念だったのは、「資格さえ取れば安泰」と考えてしまい、その後の学習やスキルアップを止めてしまうケースでした。市場価値の高い登録販売者であり続けるためには、資格という土台の上に、あなただけの専門性を積み上げていく視点が不可欠です。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。

資格取得後のキャリアは、決して一本道ではありません。ここでは、代表的な3つのキャリア戦略を、それぞれのメリット・デメリットと共に客観的にご紹介します。

キャリア戦略働き方の特徴収入モデルの傾向求められるスキル
①専門性特化型特定分野(美容、漢方、サプリメント等)のスペシャリストとして、お客様への深いカウンセリングを重視。指名やリピートに繋がりやすく、専門手当などで安定した収入を目指せる。特定分野の深い知識、カウンセリング能力、探究心。
②マネジメント型店長やエリアマネージャーとして、店舗運営や人材育成を担う。プレイヤーから管理者へ。役職手当がつくため、収入アップの幅が大きい。キャリアパスが明確。リーダーシップ、計数管理能力、コミュニケーション能力。
③独立・多様化型自身で店舗を開設したり、フリーランスとして商品開発や執筆、在宅でのオンライン相談などを行う。成功すれば最も高収入を狙えるが、リスクも伴う。自由度が高い。経営知識、マーケティングスキル、自己管理能力、行動力。

登録販売者の資格に関するFAQ

最後に、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。

一度取得した資格は失効しますか?

いいえ、登録販売者の資格自体は一度取得すれば一生有効です。失効することはありません。

結婚や出産などでブランクがあっても復帰できますか?

はい、可能です。ただし、一人で店舗の管理者になるためには「直近5年以内に2年以上の実務経験」といった要件(管理者要件)があります。ブランクが長い場合は、まず研修中の登録販売者として復帰し、実務経験を積み直すことになります。資格そのものが無駄になることはありません。

試験は年々難しくなっていますか?

合格率は各都道府県や年度によって変動しますが、極端に難化しているという傾向はありません。厚生労働省が公表する「試験問題作成に関する手引き」に沿って出題されるため、基本的な学習範囲は変わりません。正しい方法で学習すれば、十分に合格を狙えます。

まとめ:その不安を、未来への自信に変えよう

この記事では、登録販売者の資格がなくなると言われる噂の真相と、その確かな将来性について解説してきました。

  • ポイント1:資格はなくならない
    • ネットの噂は「1/2ルール廃止」などの制度変更からくる誤解です。
  • ポイント2:将来性は国の政策が保証
    • 「セルフメディケーション」の推進という国の方針が、登録販売者の需要を後押ししています。
  • ポイント3:あなた次第でキャリアは広がる
    • 資格はゴールではなくスタートです。専門性を磨くことで、5年後、10年後も選ばれる人材になれます。

ネットの不確かな情報に惑わされる時間は終わりです。正しい知識は、あなたの不安を未来への自信に変えてくれます。さあ、新しいキャリアへの第一歩を踏み出しましょう。

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[監修者情報]

この記事の監修者

山田 健一 (Yamada Kenichi)

山田社会保険労務士事務所 代表

労働法規の専門家として、特に小売・医療業界の労務問題に精通。キャリアに関する法的な側面や、資格制度の変更が雇用に与える影響について、客観的かつ正確な情報を提供するため、本記事を監修。

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